著者
蓮池 利隆 岡田 至弘 佐野 東生
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

大乗仏教経典成立の背景にはインド文化の他にイラン文化も存在した。特に、ガンダーラ地域ではゾロアスター教の影響があった。クシャーン王朝は紀元後1世紀から3世紀までガンダーラを中心に統治したが、この王朝のふるさとは中央アジアのタジキスタン・ウズベキスタン周辺であった。その地域の宗教はゾロアスター教であった。この研究では、タジキスタンの遺跡発掘によって、イスラーム化前の中央アジアにおけるゾロアスター教の存在を検証した。ゾロアスター教と仏教の混合によって阿弥陀仏信仰が成立したことを明らかにすることができた。その宗教的交渉においては、インドとイランに共通する神格であるミトラ(ミフル)が仲介となった。