著者
作田 学
出版者
医学書院
雑誌
BRAIN and NERVE-神経研究の進歩 (ISSN:18816096)
巻号頁・発行日
vol.65, no.12, pp.1544-1545, 2013-12-01

ヘイメイカー(Webb Edward Haymaker;1902-1984)は,米国の神経学者である。南カロライナ州のクレムゾン大学とチャールストン大学で学び,次いで南カロライナ医科大学から1928年にM.D.の学位を受けた。しかしながら,残念なことに現在の南カロライナ医科大学のウェブサイトにはヘイメイカーの足跡は残っていない。1934年にマギル大学教授のペンフィールド(Wilder Graves Penfield;1891-1976)が新たに創設したモントリオール神経学研究所にフェローとして招かれた。ここで1年を過ごし,マギル大学から修士号を得た。その後カリフォルニア大学のサンフランシスコ校とバークレイ校で6年間神経解剖学の教鞭を執った1)。第二次世界大戦が勃発したため1942年に陸軍中尉として,ワシントンD.C.の陸軍病理学研究所に勤務することとなった。その後20年間をここで過ごし,陸軍中佐にまで昇格した。 この間,今回紹介する末梢神経外傷についての書物を脳神経外科医のウッドホール(Barnes W. Woodhall;1905-1985)と共著で出版した2)。のちにデューク医科大学脳神経外科教授になったウッドホールは,多くの医師の協力を得て3,656例の神経損傷の回復過程について671頁ものモノグラフを出版している3)。