- 著者
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梅澤 耕学
作田 翔平
奈良 唯唯子
中澤 美和子
山上 浩
大淵 尚
福田 充宏
- 出版者
- 一般社団法人 日本臨床救急医学会
- 雑誌
- 日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
- 巻号頁・発行日
- vol.19, no.5, pp.639-644, 2016-10-31 (Released:2016-10-31)
- 参考文献数
- 8
目的:救急外来トリアージの質の評価は統一した方法がないのが現状である。当院の救急外来トリアージを従来の報告と比較検討し,トリアージの質の評価を行った。方法:2013年4月からの1年間の当院救急外来の受診患者を対象とし,トリアージまでの時間,アンダー・オーバートリアージ率,診察応答時間充足率,救急外来滞在時間,緊急度別入院率を求めた。結果:対象患者は36,475名であった。トリアージまでの時間は中央値5分(IQR 0-11)で,アンダートリアージ率は1.1%,オーバートリアージ率は2.0%であった。診察応答時間充足率はLevel 1が84.6%,Level 2が91.1%,Level 3が84.8%,Level 4が88.2%,Level 5が99.8%であった。救急外来滞在時間は全体で中央値1時間39分であった。緊急度別入院率はLevel 1が97.6%,Level 2が73.1%,Level 3が30.8%,Level 4が5.0%,Level 5が0.1%であった。結語:診察応答時間充足率がより緊急度の高い群で悪く,患者動線の改善が必要と考えられた。今後は統一した質の評価方法が必要である。