著者
俵佑方人
出版者
日本水産工学会
雑誌
水産工学 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.113-118, 1992-12
被引用文献数
2

愛知県におけるアサリ関係の調査研究は、明治27〜35年にかけての産卵期調査、大正4〜5年の養殖適地調査、大正6〜10年のアサリ養殖試験、および昭和26〜28年のアサリ資源調査等が報告されている。これらの知見を基にして昭和27年から沿岸漁業振興事業の一環としてブルドーザー等を使用して浅海内湾開発事業が行われ、また昭和28年からは主にアサリを対象とする貝類保護水面も設置されたが、これが本県におけるアサリ増殖場造成の嚆矢であった。その後福江湾槍ヶ崎根部堀削水路造成、吉田地区作澪耕転整地事業、ダイナマイトによる深部耕転2)、腐泥域における人工砂場造成、ハチの巣状人工干潟造成等の各種事業や試験が行われたが、これらの経験や知見を基にして昭和57-63年にかけて福江湾大規模増殖場造成事業が実施された。以下、愛知県におけるアサリ増殖場造成事例及び福江湾開発について報告する。