著者
倉井 庸維
出版者
筑波大学附属坂戸高等学校
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
no.40, pp.169-172, 2003-03-31

本校では、4年前から新入生が、高校生活に円滑に適応できるように、入学式の翌日から、3泊4日で黒姫高原で合宿生活(コミュニケーション・キャンプ)を行ってきた。そこでの内容は、1周30kmある野尻湖のサイクリングや ...
著者
倉井 庸維
出版者
東京都立大泉高等学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2009

○研究目的:生徒自ら問題設定と解決をし、それらをレポートとして作成し発表する(課題学習)授業を約1年間行うことによって、受講した生徒の数学に対する見方や数学に取り組む姿勢(数学観)の変容を調べる。○研究方法:4,9,1月に実施された自由記述のアンケート、提出された4回のレポートならびに発表の様子を全体の生徒の様子と1生徒Kを中心に着目して、時系列に分析していく。○実践の方法:授業は、高校3年の生徒を対象に問題演習形式で行う。生徒は、1学期2回、2学期2回、授業で扱った問題を源問題として問題設定し、その解法をレポートにし、教師に提出するとともに、そのレポートの内容を授業のクラスで他の生徒の前で発表する。○実践の結果(1)4月のアンケート結果から、受講理由を「受験科目であること」とする生徒が最も多くみられ、生徒Kの受講理由も同様であった。(2)6月の第1回目のレポートの発表では、ほとんどの生徒が自分の問題解法を黒板に書き写すのみであったため、指導をした。事前にプレゼンテーションの仕方を指導する必要があった。(3)9月のアンケート結果から、本授業を好意的に受け止めている生徒が最も多くみられた。授業に対する要望として、生徒Kから生徒同士で問題解決のための話し合いの時間の確保が出された。(4)1月のアンケート結果から、授業に対して最初はとまどったものの探究的活動あるいは創造的活動に従事し、良い経験をしたとする肯定的記述が見られた。○結論(1)生徒は、実際に問題設定を行うことにより深い理解や発展的な考察を行うことができた。(2)課題学習を行ったことによって創造的探究的な学習に従事し、数学に対する見方が変容した生徒がいた。○今後の課題生徒間の話し合いを活性化させるための方法の検討、授業者のスタンスの取り方、生徒によって設定された問題とその解法それぞれに対する評価の観点を作成することである。