著者
倉内 利浩
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.416-423, 2017

<p>台風情報や大雨警報などの防災気象情報は,その情報に盛り込んでいる危機感を含め,防災関係機関はもとより国民・住民に迅速かつ正確に伝わり利用されてこそ,その効果が発揮されるものである.このため,気象庁・気象台では,平常時においては,これらの防災気象情報が自治体等の防災計画に適切に反映されるよう,また,情報を受け取った住民が的確な行動がとれるよう,周知・広報に努めている.大雨時等においては,情報が利用者に迅速・確実・正確に届きかつ理解されることが重要であり,最新の情報通信技術の導入や情報内容や表示の改善等を進めてきている. ここでは,台風・集中豪雨対策を中心に,特に大雨による気象災害の危機感を的確に伝えるための取り組みに焦点を当て,市町村の行う避難勧告等の判断や各人の安全確保行動の判断に資する取り組みを紹介する.</p>