著者
ホサイン M. A. 石嶺 行男 倉持 仁志 赤嶺 光 村山 盛一 近内 誠登
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.197-205, 1997-11-25
被引用文献数
3

ハイキビ(Panicum repens L.)は熱帯・亜熱帯に分布するイネ科の多年生雑草で, その主な繁殖型が地下茎であるため, 防除困難な雑草の1つとして教えられており, 熱帯・亜熱帯の農耕地, ゴルフ場ならびに休耕地等でその雑草害が報告されている。今回は沖縄市高原のハイキビ自生地はおいて, 既存の薬剤でハイキビ防除に有望と考えられた作用性の異なる除草剤計27剤を選抜し(Table. 1), それらの使用基準薬量の上下に試験薬量を設定し, ハイキビの生育期において有効な薬剤の選抜試験を行った結果, 以下の知見が得られた。薬剤処理後21日目の調査時で, ハイキビの茎葉部に対して高い除草剤活性を示した薬剤はヘキサジノン, アシュラム, グリホサート, ビアラホスおよびグルホシネートの5剤であり, それぞれ47〜60, 60〜87, 40〜67, 57〜67, 80〜90%の除草活性を示した(Table 1 2)。次にこの5剤のハイキビに対する再生抑制効果を調べるために薬剤処理後35日目に地下茎と球茎を掘上げ, シャーレ試験を行った。まず地下茎を用いた試験では, ヘキサジノンで95〜100%, アシュラムで92〜95%, グリホサートで82〜97%, ビアラホスで56〜72%, グルホシネートで91〜100%の発芽阻害活性を示した(Table 3, 4)。また球茎を用いた試験では, ヘキサジノンで48〜59%, アシュラムで90〜92%, グリホサートで62〜65%, ビアラホスで25〜50%, グルホシネートで49〜88%の発芽阻害活性を示し(Table 3, 4), この5剤がハイキビに対して有効な薬剤であることが示された。