著者
倉田 康路
出版者
一般社団法人日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.101-113, 2001-08-31

本研究においては,実践現場でサービス計画(全体計画)が実現されるためにはどのような条件や方策が必要か,介護老人福祉施設(特養)の場合を通して検討することを目的とする。研究方法として同種施設に所属する職員を対象にアンケート調査(自由回答法)を実施し,全国の155の施設から822票の回答を得ることができた。K. Krippendorffによるメッセージ分析法を用いて分析を行った結果,実現化に作用する条件や方策に関して5つのカテゴリーから28の項目が抽出された。同計画の実現に向けては,これら各項目やカテゴリーについて一連のつながりをもって関連させながら方策を展開していくことが大切かと考えられる。また,計画の実現に職員自身が自信を持てるような条件づくりを進め,サービス計画をよりよいものに改善していくという使命を一人ひとりの職員が担っていることの認識がもてる体制をいかにして創りだしていくかを検討し,確立していくことが求められる。