著者
倫 裕發
出版者
東京工芸大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

東京の気候は、国内の他のメガポリスのように、比較的温暖な冬と高温多湿な夏である。暑い夏は、空調の使用は避けられない。2011年の福島事故後、我が国は、夏に、季節的な需要の増加により、厳しい電力不足に見舞われている。気温の上昇は発汗と蒸散を増加させ、夏バテや熱中症のような熱に起因する病死が増えている。従って、良好な通風は、伝統的な涼風手段であるが、十分な室内の気流流動を確保し、空調の使用を最小化する上で、依然として重要である。2011年度は、(1)文献調査と(2)外皮ファザードの評価と適用効果を報告した。2012年度は、風洞実験により通風促進壁の詳細評価を実施した。通風促進壁は風向45°から67.5°までの間で、通風効果が顕著であった。後流域でも通風促進効果が確保された。窓開口のある南側外壁面に通風促進壁を設置することが特に外気誘引効果に有効であることが判った。