- 著者
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光田 和伸
- 出版者
- 国際日本文化研究センター
- 雑誌
- 日本研究 (ISSN:09150900)
- 巻号頁・発行日
- vol.36, pp.139-164, 2007-09-28
連歌師の宗祇(一四二一~一五〇二)が、その弟子とともに制作した『水無瀬三吟』(一四八八)と『湯山三吟』(一四九一)は、連歌史上で最高の作品であるという評価が定まっている。しかし、そのどこがどのように素晴らしいのか。宗祇のこの二つの作品を、宗祇以前、あるいは宗祇以後の連歌作品と比較して、その素晴らしさを、具体的にまた客観的に指摘する方法はないだろうか。本論文は、第一に、連歌のルール全体を体系的に理解すること、そして第二に、独自に考案した解析シートにより連歌作品の展開を理解することによって、この課題を解決しようとする最初の試みである。