著者
山口 求 今村 美幸 光盛 友美 鍋島 和貴
出版者
一般社団法人日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.113-119, 2011

乳児期の虐待死が増えており、その理由は「泣きやまない」というものである。子育てに疲弊する母親は、相談する相手もなく「社会的に孤立」しやすい現状がある。そこで本研究は、「地域の親が看護学生に子育て体験を語る」ワークショップ(以下WS)を導入した。親はWSの参加で子育て体験を振り返り、子育てへの「気づき」から、親としての自覚と親自身の自尊感情の高まりがある。WSによる親の自尊感情の高まりは、親教育の支援となるのかを検討することを目的とする。WSの結果は、6つの大カテゴリーに分類された。【子育ての大変さ・困難性】【子育ての楽しさ・喜び】【誕生の喜び】【子育てサポート体制】【両親への尊敬】【子育てによる自己成長の実感】である。自分の子育てを振り返ることで、否定的な子育てを客観的に見つめ、肯定的な子育ての感情と交錯しながら、親自身が成長することを自覚することにつながっている。WSでの子育て体験は、親としての自覚を再認識し、自尊感情を高めるという"親が親となる"発達支援になることが示唆された。
著者
梅田 弘子 梅田 貴士 堀田 実愛 光盛 友美 長沼 貴美 寺重 隆視
出版者
広島国際大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

近年の男性(父親)の家事・育児参加の意義・必要性を踏まえて、将来、父親・母親になる可能性をもった大学生の男女に、男女が親としてともに仕事・家事・子育てをすることが当然であるという考え方を醸成することを目的として、学生主導型「ひろしま未来の育MENプロジェクト」を設立し活動した。大学生を対象とした未来の育メン育成プログラムとして、①知識の獲得、②実体験に基づく学習、③大学生個々の結婚や育児への受容性の確認と具体的なキャリア設計、④ピア学習、の四点が挙げられた。
著者
山口 求 今村 美幸 松高 健司 光盛 友美
出版者
一般社団法人日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.59-64, 2009-03-20
被引用文献数
2

乳幼児の皮膚は、角質層が薄く、バリア機能も低く皮膚表面は容易に傷つきやすく、雑菌などによる感染のリスク状態にあり、皮膚トラブルを起こしやすい。しかし看護系に乳幼児のスキンケアに関する先行研究はほとんど見られない。そこで、本研究(委託研究)は、乳幼児のスキンケアにてん菜砂糖に、精油・食用油でオイルコーティングしたシュガースクラブの保湿効果を検証することを目的とした。医師の皮膚テストにより安全性を確保し、入浴後に使用する実験群と、入浴のみの統制群とに分け22名の乳幼児を対象とした。指標にはモデラスを用いて水分値、弾力値、肌状態を入浴前と入浴30分、60分後に測定した。結果、水分値、肌状態は30分後が有意に上昇したが、60分後は低下傾向を示した。保湿効果の持続性は、今後の継続研究で検証する必要がある。視診・触診による肌状態の観察結果は、統制群の乳幼児に変化はなく、実験群では乾燥状態の皮膚がしっとりとし保湿効果が得られた。