著者
西本 卓也 光部 杏里 渡辺 隆行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.57, pp.27-32, 2006-05-12

ラジオ放送におけるスポーツ実況中継では,音声のみを用いて聞き手に視覚的なイメージを与えるための配慮がなされている.このような配慮は視覚障害者支援技術にも役立つことが期待される.そこで,競馬,野球,サッカーなどの実況中継におけるテレビおよびラジオのアナウンサーの発話内容を比較・分析した.競馬においては,レースの序盤,中盤,終盤,といった状況ごとに注目される対象の遷移が見られた.野球においては,テレビでは常時画面に表示されている得点やボールカウントなどの試合状況は,ラジオ中継では頻繁に音声で伝えられており,重要な情報ほど高頻度で発話されていた.またサッカーにおいては,連続的なゲームの展開を,間投詞を用いてシーンに分割して伝えていた.今後は,これらの知見を踏まえて,音声対話において空間的な状況の大局的な理解や説明を行うための具体的な方法について検討する予定である.