著者
豊田 浄彦 柴田 安雄 ムワンギ G.G. 竹内 龍三 児島 初男
出版者
日本熱帯農業学会
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.92-97, 1991-06-01

マカダミアナッツの特徴はナッツ特有のフレバーとテクスチャに優れている点にあり, 収穫後の処理では, これらの品質を劣化させないように, 数段階にわたる注意深い乾燥操作が行われなければならない.本研究では, マカダミアナッツの乾燥特性を解析するために, 空気循環式乾燥炉, 電子天秤及び熱線風速計から構成される簡易乾燥実験装置を供試し, 空気温度50,70及び90℃の乾燥実験により, マカダミアナッツの乾燥特性を求めた.そして, ナッツの乾燥過程の予測のために, 指数モデルと二槽モデル, 二つの乾燥モデルについて検討し, 指数乾燥モデルがナッツの乾燥特性を精度よく説明することを明かにした.また, 同モデル中の乾燥定数, 平衡含水率をSALSプログラムにより求めた.更に, ナッツの粒子重量, 三軸径, ナッツ粒子に対する殻(shell)の乾物重量比を測定し, 物理的特性について解析した.ナッツの粒子形状は球に近く, 等体積球相当径と粒子重量の間に高い相関関係を見出した.乾物重量比は健全粒の場合, 0.688であり, 虫害粒の場合, 0.714であった.