著者
入江 喜一
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
燃料協会誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.39, no.8, pp.575-583, 1960-08-20 (Released:2010-06-28)
参考文献数
31
被引用文献数
1

―ポリカーボネートおよびポリウレタンは, その電気的性能が優れている外, 機械的, 化学的な強さのため, 新しい合成樹脂として注目されてきたが, 最近国内においても工業的生産が始められてきた。この2つの合成樹脂の主原料であるボスゲンは, 当社により大正14年に国産化され各種の染料, 農薬, 医薬などの中間体としで生産されてきたが, 最近はポリウレタンの主成分であるポリイソシアナートの原料として大増産されつつある。本文は, このホスゲンの工業的製造法, 取扱上の注意, 回収, 精製方法について紹介するとともに, 最近脚光を浴びてきた一酸化炭素源についてホスゲン製造の立場より考察した。さらにホスゲンの利用工業について, 系統的に紹介, 説明した。