著者
八島 正明・水谷 高彰
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.115-119, 2010-04-15 (Released:2016-09-30)
参考文献数
8

その2 では,原因究明のために行った発熱開始温度測定,最低着火温度(くすぶり温度)測定,模擬着火実験,部材の軟化する温度測定等を述べた.現場から採取した試料との吸発熱挙動の比較のため,食品の代表的な油脂成分であるパルミチン酸,ステアリン酸,オレイン酸,リノール酸を使用した.DSC 測定による発熱開始温度は,現場採取試料170℃,パルミチン酸223℃,オレイン酸186℃,そしてリノール酸125℃であった.リノール酸の値が際立って低いことがわかった.おがくずを5 から50 mm まで堆積させ,くすぶり温度を測定した結果,着火温度が330 から240℃に低くなることがわかった.