著者
生田目 光 八島 禎宏 沢宮 容子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.205-220, 2022-06-30 (Released:2022-07-12)
参考文献数
74
被引用文献数
4

本研究の目的は,わが国における児童を対象に,ボディイメージの実態を調査し,ポジティブボディイメージを育成するプログラムを開発し,効果を検証することである。研究1では,児童のボディイメージに関する基礎的な検討を行った。まず,小学3年生から小学6年生の児童232名を対象として質問紙調査を行ったところ,わが国においても,ボディイメージの問題は児童期から生じていること,およびその深刻さが示され,早期介入が必要であると考えられた。研究2では,児童を対象としたポジティブボディイメージを育成する全3回の1次予防プログラムを開発し効果を検証した。小学3年生から小学6年生の児童161名を対象に,学級単位で有効性を検討した結果,プログラムによってポジティブボディイメージが高まり,その効果は3ヵ月間維持されることが示された。