著者
八木 寿子
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.35-40, 2022 (Released:2022-01-07)
参考文献数
12

本研究の目的は、経腸栄養剤の投与エネルギーを減量することによる体重変動から高齢者の適正エネルギー量を確認するための検証である。対象は経腸栄養剤を投与している寝たきり高齢者8人(男性4人、女性4人)である。方法は、1年以上900 kcalを継続し体重が安定している対象者に対して、3カ月間エネルギーを900 kcalから800 kcalに抑えて体重変動を確認した。結果は、体重減少が3人(男性2人、女性1人)、体重増加が2人(女性)、変化なしが3人(男性2人、女性1人)である。男性は体重が減少しやすいため適正エネルギー量はあまり低く設定しないほうが適切であると推測できる。一方で女性は体重が減少しにくいため適正エネルギー量はより低く設定可能であると推測できる。