著者
佐々木 系 長谷川 功 八谷 三和
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.83, no.6, pp.1005-1007, 2017 (Released:2017-12-22)
参考文献数
22

2016年8月30日,台風に伴う河川増水により,岩手県の某河川沿いにある養魚場が冠水し,ギンザケ当歳魚(0+)(推定50万個体)が逸出した。このため,種間関係(競争・交雑等)を通じた生物多様性への影響が懸念され,駆除等の対策を要する。そこで,対策を講ずる基礎的知見を収集するために,ギンザケ逸出後の河川で魚類相調査を行った。ギンザケの生息個体数は6,387個体と推定され,逸出から100日後では逸出時の1.3%に減少していたが,在来種と同所的に存在し,0+で成熟する雄個体がいることが明らかになった。