著者
内ヶ崎 善英
出版者
桐蔭横浜大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

国際司法裁判所における証拠法は、国際法としての独自の発達を十分に遂げておらず、裁判官も研究者もその基礎的素養となっている出身国の証拠法を無意識に適用しがちである。英米法と大陸法では裁判所観が大きく異なるため、証拠法に関しても一致しないシーンが多くなっており、各国の国内法による証明責任法理と証拠法の比較検討のみでは、国際社会に十分な法理を提供することができないため、国際法としての意識的な立法作業が必要であること。また、その際には、国際社会の裁判所としての国際司法裁判所に特有な問題-とくに国際公益の実現-が、国内法の証拠法には存在していない対応策-裁判所主導の証拠収集など一を必要としていると言える。