著者
内多 允
出版者
学校法人滝川学園 名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.29-36, 2005-03-31 (Released:2019-07-01)

中南米各国は世界各地に,出稼ぎ労働者や移民を送り出している.その最大の受入国は,米国である.彼等の多くは母国の家族への送金を続けているが,その額は中南米における対外資金の流人源として無視できない規模に達している.本稿では,その実態と中南米への主要な送金元である米国におけるヒスパニック(中南米系)社会の経済規模を取り上げる.なお本稿では,出稼ぎ就労者や移民が母国へ送る行為を「送金」と記載している.
著者
内多 允
出版者
学校法人滝川学園 名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.97-102, 2007-03-31 (Released:2019-07-01)

大豆は日本では味噌や醤油,豆腐や納豆等の加工食品の原料として消費量の多い,農作物である.また,大豆は食用油や家畜の飼料原料としても重要な農作物である.大豆の生産や貿易の動向が世界の食料供給に与える影響力は極めて大きい.特に近年は中国がさまざまな一次産品の輸入量を増やしているなかで,大豆の輸入も増加している.中国の大豆輸入増加には,ブラジル等の南米からの供給が米国を上回る実績をあげるなどその貿易構造を変える影響を与えた.本稿では,近年における大豆と大豆油の生産・貿易動向を取り上げる.また,これに関して世界の大豆貿易に与える影響が大きいブラジル・中国間の農産物貿易に言及する.
著者
内多 允
出版者
名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.23-34, 2003-04-01

メキシコ経済は米国に対する依存を無視しては語れない.貿易についても,同様のことが言える.メキシコの貿易は1994年に発効した北米自由貿易協定(英語略称NAFTA)によって益々,米国との連携を強固にした.一方,米国は各国との市場開放を進めている.米国市場でも中国製品の進出によって,メキシコ製品のマーケットシェアが低下している商品も現れている.メキシコの輸出産業を支えてきたマキラドーラ(保税加工業)の国際競争力低下も,表面化している.このような変化に対応すべく,メキシコも対米関係を重視しつつ対外経済関係の多様化を目指している.