著者
畔上 由佳 内山 友里恵 笠原 ひとみ 上田 ひろみ 吉田 徹也 宮坂 たつ子 長瀬 博 藤田 暁
出版者
長野県環境保全研究所
雑誌
長野県環境保全研究所研究報告 (ISSN:1880179X)
巻号頁・発行日
no.7, pp.57-61, 2011

1992年から2010年までの間,長野市におけるスギ・ヒノキ科花粉の飛散状況調査を継続して実施した.その結果,長野市でのスギ花粉飛散開始は,前年11月の日最高気温が平年よりも高いシーズンでは1月1日からの日最高気温積算値が295℃から388℃を超えるころに確認された.一方,前年11月の日最高気温が平年並みから平年より低かったシーズンでは,229℃から317℃で飛散開始が確認された.スギ花粉最高飛散日の平均は3月27日であった.飛散開始から最高飛散日までの日数は,平均23日であった.スギ花粉総数の中央値は1988.4個/cm2であった.スギ花粉総数が1000個/cm2を超える年では「環境省花粉観測システム(はなこさん)」のデータと,ダーラム型花粉捕集器によるデータは高い相関が認められた.
著者
畔上 由佳 吉田 徹也 粕尾 しず子 内山 友里恵 薩摩林 一代 白石 崇
出版者
長野県環境保全研究所
雑誌
長野県環境保全研究所研究報告 (ISSN:1880179X)
巻号頁・発行日
no.5, pp.103-108, 2009

風疹は、感染から14〜21日(平均16〜18日)の潜伏期間の後、突然の全身性の斑状丘疹状の発疹、発熱、耳介後部・後頭下部・頸部のリンパ節腫脹を特徴とするウイルス感染症であり、通常は数日で治癒する予後良好な疾患である。しかし、妊娠初期に風疹に罹患すると、風疹ウイルスが胎盤を介して胎児に感染し、先天性心疾患、白内障、難聴を特徴とする先天性風疹症候群を発生することがある。麻疹は、発熱、上気道のカタル症状、全身の発疹を主な特徴とする急性ウイルス感染症である。麻疹ウイルスの感染力は非常に強力で、いったん発症すると特異的な治療法はないのが現状である。2007年には、首都圏の大学生を中心としたいわゆる成人麻疹の流行が認められ、長野県内においても麻疹患者の発生により、休校・休園の措置を行った学校等も4施設存在した。