著者
長瀬 博 松本 和久 西山 久雄
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.1055-1066, 1996-12-01 (Released:2009-11-16)
参考文献数
44
被引用文献数
6 10

Just after the discovery of PGI2, we started to find chemically and metabolically stable PGI2 derivatives with longer duration of action. Extensive studies led us to a new class of stable PGI2 analogue, 5, 6, 7-trinor-4, 8-inter-m-phenylenePGI2 that has a phenol moiety instead of enol-ether linkage in PGI2. In order to accomplish synthesis of the m-phenylenePGI2, novel synthetic methods were developed, for instance, ortho-selective metal-halogen exchange reaction of bromoanisoles by means of Grignard reagent, copper-catalyzed SN2' cyclization to prepare dihydrocyclopenta [b] benzofuran, and regioselective and stereo-selective elongation of ω-side chain by Prins reaction. Further efforts were devoted to synthesize derivatives of m-phenylenePGI2 with enhanced pharmacological activity and less adverse reaction. Finally, we attained to Beraprost sodium which is the first launched drug as an orally active PGI2. This paper will focus on the study of total syntheses of m-phenylenePGI2.
著者
畔上 由佳 内山 友里恵 笠原 ひとみ 上田 ひろみ 吉田 徹也 宮坂 たつ子 長瀬 博 藤田 暁
出版者
長野県環境保全研究所
雑誌
長野県環境保全研究所研究報告 (ISSN:1880179X)
巻号頁・発行日
no.7, pp.57-61, 2011

1992年から2010年までの間,長野市におけるスギ・ヒノキ科花粉の飛散状況調査を継続して実施した.その結果,長野市でのスギ花粉飛散開始は,前年11月の日最高気温が平年よりも高いシーズンでは1月1日からの日最高気温積算値が295℃から388℃を超えるころに確認された.一方,前年11月の日最高気温が平年並みから平年より低かったシーズンでは,229℃から317℃で飛散開始が確認された.スギ花粉最高飛散日の平均は3月27日であった.飛散開始から最高飛散日までの日数は,平均23日であった.スギ花粉総数の中央値は1988.4個/cm2であった.スギ花粉総数が1000個/cm2を超える年では「環境省花粉観測システム(はなこさん)」のデータと,ダーラム型花粉捕集器によるデータは高い相関が認められた.
著者
中村 裕之 荻野 景規 長瀬 博文 吉田 雅美
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

低レベルマイクロ波の全身暴露によってもたらされる内分泌免疫系への影響を脳内神経伝達物質との関連において解明することを目的に、マイクロ波(周波数2,450MHz、強度2mW/cm^2、90分間)暴露による脾臓細胞中ナチュラルキラー細胞活性(NKCA)、血中の諸指標と下垂体と胎盤のβ一エンドルフィン(βEP)の変化を妊娠ラットあるいは処女ラットにおいて検討した。このレベルのマイクロ波は、処女ラット、妊娠ラットでそれぞれ、0.8と0.9°Cの温度上昇をもたらしたが、血中コルチコステロンへの有意な変化は引き起こさなかった。処女ラットでは認められなかったが、妊娠ラットのマイクロ波暴露群のNKCAは非暴露群に比べ有意に減少した。オピオイド受容体拮抗剤であるnaloxoneの前処置では、妊娠期におけるマイクロ波によって低下したNKCAと、上昇したPRL、低下した視床下部medianeminenceのCRHをreverseした。一方、CRH受容体拮抗剤であるα-helicalCRHのicv投与によっても同じく、マイクロ波暴露によって上昇した血中プロラクチン(PRL)と下垂体βEPと、減少したNKCAをreverseした。これらの結果から、妊娠中のマイクロ波暴露による免疫機能低下には、マイクロ波暴露に際して視床下部CRH神経系と、視床下部あるいは下垂体のオピオイド神経系が刺激され、その結果、下垂体PRLが活性化されるという中枢性機序が考えられた。その際のマイクロ波による生体影響は、マイク口波の温熱作用と非温熱作用の両作用によると考えられた。
著者
長瀬 博 沓村 憲樹
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.846-850, 2020 (Released:2020-09-01)
参考文献数
23

鎮痛作用に関与するオピオイド受容体にはμ、δ、κの3つのタイプがあり、依存性はμ受容体を介して発現する。長瀬らは、独自のモルヒナン構造を母核としたκ受容体選択的作動薬ナルフラフィンの創出し、難治性そう痒症治療薬として上市に成功した。また、ナルフラフィンを用いて、なぜ引っ掻くと痒みが鎮まるのかという長年の謎の解明に迫った。さらに、鎮痛薬として開発したδ受容体作動薬の光学異性体が、アトピー性の痒みに関与するMRGPRX2に作動活性を示す事も見出した。
著者
斉藤 毅 長瀬 博
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.90-96, 2016-05-01 (Released:2018-06-01)
参考文献数
19

睡眠覚醒や摂食を制御する因子であるオレキシン系の発見以来、これまで多くのオレキシン受容体アンタゴニストが見出されてきた。一方で、作動活性を有する低分子アゴニストについては、未だ報告はない。われわれは、内因性リガンドであるオレキシンが、ナルコレプシーをはじめとする睡眠疾患や糖尿病、肥満に効果的であることに注目し、オレキシン受容体作動活性を有する化合物の探索研究を行った。スルホンアミド構造を有するHTSヒット化合物を分子基盤とし、独自の分子設計コンセプトを活用した最適化研究を行うことで、オレキシン2受容体選択的アゴニストYNT-185を世界に先駆けて見出した。YNT-185はin vivoにおいて、オレキシンと同様に顕著な覚醒誘導、維持作用が確認された。また、本化合物はナルコレプシーモデルマウスを用いた投与実験において、劇的にその症状を改善した。
著者
長瀬 博 河合 孝治
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.374-383, 1989-04-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
40
被引用文献数
1 3

Abnormal enolization reaction of naltrexone was found and the reactivity was applied to the syntheses of highly selective opioid receptor antagonists. Further, structure activity relationship of these antagonists was discussed.
著者
長瀬 博 藤井 秀明
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.371-381, 2006-04-01 (Released:2010-10-20)
参考文献数
30
被引用文献数
1 3

A selective nonpeptidic δ opioid receptor agonist TAN-67, (4aS*, 12 aR*) -4 a- (3-hydroxyphenyl) -2-methyl-1, 2, 3, 4, 4 a, 5, 12, 12 a-octahydropyrido [3, 4-b] acridine was designed from the selective δ opioid receptor antagonist NTI on the basis of the message-address concept and the accessory site theory. (-) -TAN-67 is a potent and selective δ1 opioid receptor agonist and showed profound antinociceptive effect, cardioprotective effect, and antiarrhythmic effect. On the contrary, (+) -TAN-67 induced hyperalgesia, which is the opposite effect of the antinociception. Optical resolution of racemic TAN-67 and the synthesis of (4aS*, 8 aR*) -4 a- (3-methoxyphenyl) -2-methyl-6-oxodecahydroisoquinoline, the important intermediate ketone of TAN-67 synthesis were also described.