著者
阿部 泰之 堀籠 淳之 内島 みのり 森田 達也
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.134-140, 2014 (Released:2015-02-17)
参考文献数
19

【目的】本研究の目的は,医療介護福祉間の,特に現場においてのバリアをなくす取り組みであるケア・カフェ®を地域に適用することにより,地域の連携がどのように変化するか調査することである.【方法】ケア・カフェ®の参加者を対象とした質問紙による前後比較研究を行った.医療介護福祉の地域連携尺度の点数変化の解析,質問紙の自由記載の内容分析をあわせて検討する混合研究法を用いた.【結果】地域連携尺度の点数は,合計点数および4つの下位尺度において有意に上昇し,その効果量は0.32~0.36であった.自由記載の内容分析において,参加者はケア・カフェ®に参加することにより,多職種の顔の見える関係をつくるという本来の目的以外にも,癒しの場,コミュニケ-ション上の気づき,社会関係資本など,多様な成果を得ていることが分かった.【結論】ケア・カフェ®は,地域における医療介護福祉の連携を改善する有用なツ-ルである.