著者
内藤 泰男
出版者
大阪府立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

正常対象者における非利き手箸操作訓練における作業量とストレスの経時的な変化の関連を6週間(初回、2週目、4週目、6週目)検討した。方法:健常若年者13名(平均年齢20.5歳)で、箸操作利き手交換訓練のプロトコールに基づき、皿間の豆移動を課題とした利き手、非利き手箸操作訓練において、(1)利き手調査、(2)動作スピードについて(3)心拍変動のLF/HF値の計測、(4)ストレスの主観的な指標として自覚疲労症状調べを実施し、各評価項目を比較、検討した。結課;作業量については両側手とも経時的に漸増しその平均値は各測定時において有意差が認められたが、非利き手/利き手の比は初回は0.4であったがその後は0.6〜0.7を推移した。LF/HF値は、両側手の平均値の比較において初回、2週目、4週目は有意差が認められたが、6週目には有意差は認められなかった。自覚疲労症状調べは初回においてB群、2週目においてC群が非利き手動作時に有意に高値となった。考察;作業量は両側とも動作時に経時的に漸増したとこから利き手、非利き手に関わらず動作スピードの増大がみられることが分った、加えて、非利き手/利き手比が初回と2週目の変化は大きかったが、その後、2、4、6週日はほぼ横ばいであったことから、6週間の訓練期間では非利き手の動作スピードは利き手時に到達しないことが分かった。しかし、LF/HF値は初回から4週目までは利き手時が有意に高かったが、6週目には両群の差がないことから、身体的なストレスについては6週目より改善した。また、自覚疲労症状調べでは心的症状、心身症状の疲労感が初回、2週間までは非利き手時において低下したが、その後4、6週目において差はなかった。結論、正常若年者においては動作スピード上、利き手、非利き手が同等となるより以前に身体的、心的なストレズは同等となる可能性が示唆された。