著者
伊賀 博紀 澤田 辰徳 藤田 佳男 内野 まどか 山崎 彩音
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.616-624, 2021-10-15 (Released:2021-10-15)
参考文献数
27

本研究の目的は脳損傷者の自動車運転評価の合否判断を元にVFITのカットオフ値を算出することである.対象は運転評価を受けた65歳以下の脳損傷患者104名であった.医療記録から検査結果及び最終判断結果(運転可/不可)を抽出し,VFITの各項目に対してReceiver Operating Characteristic曲線およびArea Under the Curveを求めた.その結果,Go/no go課題検査のカットオフ値は98%であった.二重課題検査の各Stageのカットオフ値はStageⅠはカットオフ値が60.5%,StageⅡは66.5%,StageⅢは64.5%,StageⅣは54.5%であった.VFITのカットオフ値は今後の自動車運転支援の一助となる可能性が示唆された.