著者
清水 まり恵 中村 淳子 内野 郁代 津久井 和夫 佐竹 正博 中村 榮一 柏瀬 貢一 田中 秀則 植木 純一 峯元 睦子 市原 孝浩 菅原 直子 栗田 裕子 中島 文明
出版者
日本組織適合性学会
雑誌
日本組織適合性学会誌 (ISSN:21869995)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.11-19, 2003

<p>我々は日常, HLA-A, B, C検査に血清学的検査法とDNAタイピング法を, HLA-DRB1検査にDNAタイピング法をそれぞれ実施している. DNAタイピング法としてはPCR-microtiter plate hybridization(PCR-MPH)法とPCR-single-strand conformation polymorphism(PCR-SSCP)法を通常用いている. これらのタイピングで, HLA抗原型またはHLAアリルが確定できなかった場合に, sequencing based typing(SBT)法によりHLAアリルの確認を行なっている. SBT法で新対立遺伝子を含むヘテロ接合体が検出された場合は, 新対立遺伝子を含む一方の染色体の遺伝子領域を増幅し, その塩基配列の決定を行なった. それらのアリルのうち, 7種類がWHO HLA命名委員会によりそれぞれ公認, 命名された(A*0259, A*020107, B*5609, B*5131, B*5205, DRB1*1444, DRB1*1445). A*0259は, A*020101と比較して第2エクソンに位置する塩基125のGがAに置換することにより, コドン18のGlyがSerに変異していた.</p>