- 著者
-
田中 秀則
- 出版者
- 一般社団法人 日本東洋医学会
- 雑誌
- 日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
- 巻号頁・発行日
- vol.69, no.3, pp.291-294, 2018 (Released:2019-02-27)
- 参考文献数
- 16
- 被引用文献数
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(目的) 妊婦は,インフルエンザ患者と濃厚接触した場合には,抗インフルエンザ薬の予防投与が勧められているが,服用を避けたい妊婦も存在する。本研究では,妊婦が,インフルエンザに罹患した家族に,濃厚接触した場合,葛根湯内服で,発症を予防できるか否かについて,調べることを目的とした。(方法)対象は,家族がインフルエンザに罹患した5症例である。投与時,妊娠週数は,A:妊娠5週,B:7週,C:8週,D:11週,および,E:31週であった。患者の同意を得て,葛根湯エキス7.5g,5日間を投与した。(結果)B,C,D,E 症例では,発熱症状などは,認められなかった。A 症例は,投与後3週間後に発熱を認めたが,インフルエンザ検査では,陰性であった。すべての症例で,妊娠経過,および,新生児に異常は認められなかった。(結論)葛根湯の内服によりインフルエンザの発症抑制が示唆された。