著者
冨田 志織 安藤 敬子 清村 紀子
出版者
大分県立看護科学大学看護研究交流センター
雑誌
看護科学研究 (ISSN:24240052)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.1-11, 2020 (Released:2020-07-12)
参考文献数
17

【研究の目的】不妊治療を受ける女性のおかれた環境の実態および不妊治療を受けている女性が感じているストレスや治療を受ける感情との関連性を明らかにすることである。【研究方法】不妊治療で通院している女性200名を対象に質問紙調査を実施した。質問紙は、対象者の年代、不妊治療に対するストレス度、治療を受ける感情、治療状況、治療内容、仕事、配偶者を含む家族の協力や相談相手の有無、経済面からなる。【結果】治療を受ける女性がストレスを感じていたのは、「治療期間の長さ」、「転職・退職すること」、「経済的負担」、「相談相手がいないこと」であった。それらの項目は、治療を受ける感情とも関連していた。【考察】治療期間が長期化することは、妊娠するという目的を果たせない悲しみの体験を繰り返すことにもなる。また、治療継続によっては経済的負担も増える。現在、不妊治療を継続するかどうかは自己判断である。医学的な知識や科学的根拠による治療の終了をサポートする支援も必要であると考える。