著者
冨田 祥一
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

刺青に用いられる色素は金属(酸化鉄)を含むことがあるため、MRI検査時の熱傷が危惧されている。本研究では刺青に用いられる代表的な8種類の色素顔料の9.4TMRI検査における温度変化、色調変化そして組織学的変化を動物実験により検証した。いずれの検体も、水疱や発赤といった熱傷を来すことはなく、最大0.4度の温度上昇を認めた。色調変化はマンセル表色系で特徴的な変化はなく、色差ΔE00はいずれの検体も3.0以下であった組織学的検証でもMRI前後に著変を認めなかった。
著者
冨田 祥一 吉田 拓磨 野嶋 公博 宮脇 剛司
出版者
一般社団法人 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
雑誌
Oncoplastic Breast Surgery (ISSN:24324647)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.20-24, 2016-12-25 (Released:2016-12-26)
参考文献数
19

刺青・アートメイクは1970年代より乳輪乳頭への着色に応用されているが, MRI 検査時の発熱が危惧され, MRI 製造業者はこれらを有する症例の検査を推奨していない。過去の2度熱傷報告例は, 刺青のループ形状が一因と考察している。今回アートメイクの形状が MRI 検査に与える影響を検証した。 ラボスキンに四酸化三鉄を主成分とする黒い色素を用いて 「Circle」 と 「Loop」 状のアートメイクを行った。色素を入れていない 「Control」 とともに, 9.4Tの MRI 装置, RF パルスの多いシーケンスで50回連続撮影し, その温度変化を計測した。 いずれの検体も MRI 検査の回数を重ねると軽微な温度上昇を認めた。0.1℃上昇するのに有する時間は, 「Loop」 が 「Control」 に比べ有意に短かった。乳輪乳頭に対するアートメイクは, 1回の MRI 検査で温度上昇を認めるものの, 熱傷をきたすリスクは低いと考えられた。