著者
冨野 孝生
出版者
三重大学
雑誌
三重大学教育学部附属教育実践総合センター紀要 (ISSN:13466542)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.67-74, 2004-03

地域創生の新しい行方が多岐にわたって模索、構築されている時代である。これまでにも同様な企画に沿って地域の社会教育や生涯学習が動き出して来た趣はあるが、真に地域に根ざした地域人の視点から生まれ育って来たものは少なかった。豊かな地域づくりや町づくり、安心と潤いが感じられる豊かな生活に向けた生涯学習環境の構築と拡充は、差し当たってわれわれが現代に強く求めている重要課題でもある。地域の生涯学習センターを起点にいろいろな学習講座が開設されているが、生活のゆとりと向上に関連した企画が主流を成しており、基本的な生活基盤である地域環境の見直しや生き物の生存に関わる将来的な見通しにある学習活動は意外に少数を数えるに過ぎない。環境教育を軸にして、われわれの足下から安心できる学習目標をこの際しっかりした地位に据えることを切望するものである。本報告は、いくつかの生涯学習講座にかかわった経験から、環境問題関連学習をすすめるために環境教育の実績をあげ、同時に進め方のテクニックに触れたものである。