著者
出井 甫
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.580-585, 2018-12-01 (Released:2018-12-01)

今年,内閣府は,第5期科学技術基本計画を公表し,我が国が目指すべき未来社会としてSociety 5.0を提唱した。Society 5.0では,人工知能(AI)などの技術が,人々の様々なニーズに応えながら,新たな価値を創造していくことが予定されている。一方,我が国には,人間の創作物を保護する法律(いわゆる創作法)が存在する。当該法の制定時,AIのような人間以外による創作活動は想定されていない。では,AI生成物は,法律上,どのように取り扱われるのか。本稿では,創作法である著作権法を中心に,AIによって生成されたもの(AI生成物)に関する知的財産権の現状と課題について考察し,その対応策を検討する。
著者
出井 甫
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.95-100, 2022-03-01 (Released:2022-03-01)

現在,社会全体のデジタル化が加速しており,その影響がコンテンツ業界に顕著に見られる。例えば,多分野のコンテンツがオンライン配信を通じて消費者に行き渡るようになっている。また,高精度のコンテンツ創作・編集ソリューションが普及したことで,誰でも容易にコンテンツを創作・発信することが可能になっている。その結果,創作者と利用者との境界が希薄化し,プロとアマチュアの境界も曖昧になりつつある。こうした現象を起こす重要な役割を果たしているのがUser generated contents(UGC)である。本稿では,UGCの現状を概観しつつ,UGCの創作及び利用に伴う課題,並びにそれに対する政府の取組み状況を報告し,今後の検討の方向性について考察する。