著者
小泉 麗 鈴木 明由実 出野 慶子 大木 伸子 本間 照子
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.17-24, 2007
参考文献数
5

小児看護学実習において学生が体験した「ヒヤリハット」の場面と、学生が認識したその要因を明らかにし、小児看護学実習での事故防止に関する指導を検討することを目的に、学生107名を対象に調査を行った。その結果、学生の「ヒヤリハット」の場面は[ベッドからの転落の危険性][その他の転倒転落の危険性][外傷の危険性][ルートトラブルの危険性][状態悪化の危険性][誤飲の危険性]に分類された。また、学生が認識した要因は<安全に対する注意の欠落><安全に対する認識の甘さ><患児の精神面の影響><技術不足><運動発達の特性の認識不足><設備上の問題>に分類された。学生の過度な緊張や気の緩み、小児についての理解不足が「ヒヤリハット」の場面につながっており、学生が適度な緊張感を維持できるよう援助することや、学生が早期に患児の全体像を把握し、個別性を考慮した事故防止対策を行えるように関わることの必要性が示唆された。
著者
中村 伸枝 佐藤 奈保 内海 加奈子 仲井 あや 出野 慶子 白畑 範子 谷 洋江
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本課題では、(1)糖尿病をもつ子どもが疾患や療養行動についてどのように学びながら成長していくのかを明らかにし成長発達に沿った看護指針・評価指標を作成する、(2)糖尿病を子どもと家族が活用できる絵本と冊子を作成することを目的とした。糖尿病をもちながら成長する子どもの体験と文献からの知見を統合することにより、以下が明らかとなった。子どもの療養行動の習得に向けた体験の積み重ねは、子どもの成長発達やサポートの広がり、母親の糖尿病管理や育児の習熟を含む複雑な過程であった。思春期では、新たな課題に対し療養行動と望む生活を対峙させ周囲のサポートを得ながら対処していた。これらの結果を基に看護指針および糖尿病をもつ子どもと家族に向けた絵本と冊子を作成した。