- 著者
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松永 裕樹
高橋 正道
大倉 淑寛
志水 祐介
前原 弘武
北川 幹太
山川 潤
杉山 和宏
三上 学
濱邊 祐一
- 出版者
- 一般社団法人 日本外傷学会
- 雑誌
- 日本外傷学会雑誌 (ISSN:13406264)
- 巻号頁・発行日
- vol.36, no.4, pp.353-358, 2022-10-20 (Released:2022-10-20)
- 参考文献数
- 9
外傷性腹部大動脈損傷は稀だが, 死亡率が高く, 迅速な診断・治療が肝要である. 当院はCTと透視装置を備えたハイブリッドERを有し, 移動を伴わず, 蘇生・診断・治療が可能である. ハイブリッドERで, resuscitative endovascular balloon occlusion of the aorta (以下REBOA) で出血を制御し, ステントグラフト留置で救命した1例を経験した. 70歳代男性. ワゴン車乗車中の事故で, ショック状態で搬送された. CTで血管外漏出を伴う腹部大動脈損傷がみられた. REBOAを大腿動脈からZone3に留置し, 出血制御後, 手技中の循環安定のため, 左上腕動脈からの留置に変更した. コイリング, ステントグラフト留置で止血を得た. ハイブリッドERでのステントグラフト治療は, 移動を伴わず迅速な診断・治療が可能である.