著者
山下 和人 安達 洋平 久代 季子 Mohammed Ahmed UMAR 都築 圭子 前原 誠也 瀬野 貴弘 泉澤 康晴
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.715-720, 2004-11-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

犬臨床例にプロポフォール (P) とフェンタニル (F) を併用した全静脈麻酔 (PF-TIVA) を応用した. 麻酔前投薬としてプロピオニールプロマジン0.05mg/kg, ドロペリドール0.25mg/kg, ミダゾラム0.3mg/kg, またはメデトミジン5μg/kgを静脈内投与 (IV) し, Pで麻酔導入した. Fを2μg/kgIV後に0.2μg/kg/分で持続IVし, PのIV投与速度を調節して外科麻酔を維持した. 麻酔維持に要したP投与速度はメデトミジンの麻酔前投薬で0.2~0.3mg/kg/分, その他で0.3~0.4mg/kg/分であった. PF-TIVAでは呼吸抑制が強く調節呼吸の必要性が高かったが, 循環抑制は少なく, 外科手術も円滑に進行し, 麻酔回復も穏やかであった. PF-TIVAは犬の全身麻酔法として有用と考えられた.
著者
所 輝久 前原 誠也 斎藤 陽彦 山本 雅昭
出版者
Japanese Society of Comparative and Veterinary Ophthalmology
雑誌
比較眼科研究 (ISSN:02867486)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.5-8, 2014

眼組織の計測は眼科領域において重要な検査の一つであり、その中には眼軸長値の測定も含まれる。犬の眼軸長値の正常値は約20~22mmと報告されているがそのほとんどは中型犬以上のデータであり、小型犬種単独における報告はみあたらない。そこで小型犬種における眼軸長の基準値を確立する目的でチワワを対象にBモードにて計測を行ったところ、一定の個体差が有り最大で3.3mmの違いが認められたものの、平均的な眼軸長値は18.1mm前後を示し過去に犬種別に報告された中では最も短い値だった。また体重と眼軸長値との関連について統計学的検討を行ったところ両者には弱い正の相関がみられたが、統計学的に高い相関性は認められなかった。今回の調査はBモードによる正常なチワワの眼軸長および眼組織の計測値に関する初めての報告である。