- 著者
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前多 修二
- 出版者
- 帯広畜産大学
- 雑誌
- 帯広畜産大学学術研究報告. 自然科学 (ISSN:09193359)
- 巻号頁・発行日
- vol.19, no.4, pp.203-211, 1996-06-26
今年4月上旬から11月上旬までの間の166日の正午の気象を対象として,気象衛星の雲画像が含む地域気象の情報を,多層ニューロネットワークによって有効に引き出す枠組みを試みた。構造が最も簡単な3層ネットワークを用い,北海道中央の矩形部分の赤外線強度分布を入力層とし,出力層において同時刻の矩形地域内3都市の天気が表現されるよう,ネットワークに学習を行わせた上で,雲画像の情報が中間層においてどのように変換されているかを調べた。その結果,同じ出力値(3都市の天気の組み合わせ)を導く雲画像が,中間層において複数のクラスターを形成していることがわかった。各クラスター内では,互いに似た情報の表現になっている。もしこれが気象の何らかの分類に対応しているとすると,ニューラルネットワークがその内部的表現において,カテゴリーを自律的に形成する事例と考えられる。