著者
前田 一雄
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
BME (ISSN:09137556)
巻号頁・発行日
vol.2, no.5, pp.322-327, 1988-05-10 (Released:2011-09-21)
参考文献数
21

超音波診断装置の安全性は厚生省研究班, JIS, 日本超音波医学会見解に示されているとおりである. 新しい血流計測ドプラ法では, やや高出力のロングパルスを用い, 米国FDAは1976年当時の出力を基準とした規制を行っている. 超音波の作用閾値は種々の生体作用実験により検討されているが, 診断装置の進歩に伴い新しく計測パラメータと計測方法がIECやWFUMBなどで検討されており, 今後急速に進展をみるものと期待される.
著者
前田 一雄 伊藤 隆志
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.35, no.11, pp.1923-1930, 1983-11-01

sinusoidal patternの暫定的な基準を以下のように定め症例を集めて検討した.1)連続反復する正弦波様心拍数図で,その周波数は約6cpm以下である.ただしdecelerationやaccelerationは周波数計算の対象にしない.2)最大振幅10bpm以上,3)持続時間10分以上であるが,decelerationやaccelerationで中断されるのはこの時間に含めたい.4)各波の周期や振幅がなるべく良く揃っている.5)本波形に重なるvariabilityが小さく,波形がなめらかにみえる.以上の条件を満たす症例が7例あつた.心拍数基線は140〜170bpmで,波形の周期は11.60±1.68〜27.04±3.88秒,周波数では2,22〜5.17cpmであり,周期の変動係数は6例が10〜30%であった.振幅は6.40±0.84〜17.76±4.76bpmで変動係数は13〜30%であった.各症例の周期と振幅の相関係数は0.14〜0.69であったが4例は0.42以上と大であった.各症例の振幅の平均(x)と周波数の平均(y)の関係はy=4.70-0.14xと逆相関し,r=-0.56と大であった.持続時間は10 数分〜35分であった.7例中2例は分娩時発生で予後は良かった.残り5例は妊娠中発生したもので,22週に発生し1週問後に胎児死亡した1例,34週に発生し胎児水腫があり帝王切開後に新生児死亡した1例,母体白血病で高度貧血時に発生し胎児仮死となり帝王切開した1例,および分娩時に胎児仮死となり吸引分娩した2例で,妊娠中の発生例はすべてに何らかの異常経過が認められた.同様のsinusoidal patternが低酸素状態の未熟児にも認められた.