著者
田中 敬雄 新開 五月 糟野 健司 前田 康司 村田 雅弘 瀬田 公一 奥田 譲治 菅原 照 吉田 壽幸 西田 律夫 桑原 隆
出版者
社団法人 日本腎臓学会
雑誌
日本腎臓学会誌 (ISSN:03852385)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.438-440, 1997 (Released:2010-07-05)
参考文献数
10
被引用文献数
1

In 1993, Vanherweghem and his associates reported cases of rapidly progressive renal interstitial fibrosis in young women who were administered a slimming regimen including Chinese herbs. Subsequently, similar cases have been reported. In Japan, especially in the Kansai area, several cases of Chinese herbs nephropathy have already been reported. We experienced a patient suffering from Chinese herbs nephropathy(CHN), and further detected aristolochic acids from the Chinese herbs taken by the patient. Aristolochic acids are known to be causative agents of CHN. The danger of CHN should be noted as soon as possible and drugs containing aristolochic acids should be prohibited.
著者
田中 早津紀 前田 康司 奥田 譲治 門田 一郎 西村 治男
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.747-752, 2002-10-30
参考文献数
20

症例は64歳, 14年来の糖尿病の男性, 1999年 (平成11年) 11月, 血糖コントロール目的で当科入院.入院時, gllbenclamide2.5mg, voglibose0.6mgにて空腹時血糖182mg/d<I>l</I>, HbA<SUB>1</SUB>c8.1%と血糖コントロール不良であり, 空腹時IRI6.9μU/m<I>l</I>, 尿中CPR90μg/day, 抗GAD抗体陰性, 抗インスリン抗体陰性であった, 高身長, 肥満, 女性化乳房を認め内分泌学的に原発性性腺機能低下症を認めた.染色体検査で47XXYの核型を認めKiinefelter症候群と確定診断した.血糖コントロールのため経口血糖降下薬からインスリン強化療法へ切り替えたが, 合計46単位/日と大量のインスリンを要しインスリン抵抗性が示唆された.血糖コントロールが良好になってから施行したグルコースクランプ法でMCR (Metabolic clearance rateof glucose) 1.0ml/kg/minと著しいインスリン抵抗性を確認した.2000年 (平成12年) 1月よりtroglitazone200mgを開始 (途中pioglitazone 30mgへ変更) したところ効果を示しインスリンが不要となった.2001年 (平成13年) 4月現在gliclazide 120mg, piogiitazone30mgでHbA<SUB>1</SUB>c6.1%と血糖コントロール良好である.<BR>Klinefelter症候群は, 原発性性腺機能低下症を呈する染色体異常で, 高率に糖尿病を合併する.糖尿病の成因は不明であるが, インスリン抵抗性が主体と考えられている, 今回の報告は, Kiinefelter症候群におけるインスリン抵抗性をグルコースクランプ法で確認したはじめてのものであり, チアゾリジン誘導体が効果を示したことと併せて報告する.