- 著者
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前田 玄太
一杉 正仁
柴崎 宏武
影澤 英子
- 出版者
- 一般社団法人 日本交通科学学会
- 雑誌
- 日本交通科学学会誌 (ISSN:21883874)
- 巻号頁・発行日
- vol.19, no.1, pp.20-26, 2019 (Released:2020-09-30)
- 参考文献数
- 9
交通事故総合分析センターのマクロデータの中から2012〜2016年の5年間に日本で発生した「路上横臥」(以下、横臥群とする)の交通事故を対象に、事故発生状況、路上横臥による死傷者の背景および人身損傷程度を分析した。また、同期間の事故類型別の「人対車両」の非路上横臥の交通事故(以下、非横臥群とする)と比較した。横臥群が人対車両の中に占める割合は、死傷者数で0.6%、死亡者数で8.3%であった。横臥群の発生は8月がもっとも高く、夏季に多い傾向であった。次いで12月を中心とした冬季にも高い傾向がみられた。非横臥群の発生は12月がもっとも高く、冬季に多い傾向であった。横臥群は非横臥群と比較して、土曜日および日曜日の発生割合、および夜間の発生割合が有意に高かった(p<0.001)。横臥群では、死亡の割合(致死率)が33.0%であり、非横臥群の致死率2.3 %と比較して有意に高かった(p<0.001)。路上横臥は致死率が高いため、路上横臥者を轢過しないための予防安全が重要である。地域の実情を踏まえた路上横臥の予防対策と、事故を回避できる車載システムの実用化が今後望まれる。