著者
劉 栄標
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.357-361, 1961-12-25

動物血液の ast. multocida に対する発育阻止作用と動物感受性の関係を調べる為, 12種動物と12菌株を用いて実験を行い次の如き成績を得た. 1. 山羊, 緬羊, 黄牛及び馬血液の Past. multocida 発育阻止作用は最も強い. 2. 水牛, 豚, 鶏, 鵝鳥及び生蕃鴨(Muscovy duck)血液の阻止作用は弱いか或はない. 3. 犬, 在来鴨, 兎, 天竺鼠血液の阻止作用は上記両群動物の中間にある. 4. 近縁動物を比較すれば在来鴨は生蕃鴨及び鵝鳥より, 天竺鼠は兎より, 黄牛は水牛よりも阻止作用が強い. 5. 各種動物の阻止作用は菌株差は見られたが, 菌系差はなかった. 6. 中間阻止帯現象が兎及び氷牛では1%血液に, 天竺鼠では0.5%血液に観察された. その発生の強さは動物の種類差の外個体差も見られた. 7. 動物血液の阻止作用と台湾に於ける各種動物の Past. multocida に対する感受性が検討された.