著者
劉 筱丹 阿曽 洋子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.2_75-2_84, 2011-06-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
24

本研究は,看護の専門職的自律性測定尺度の中国語版を作成し,中国H省H市医科大学付属病院の臨床看護師450名を調査対象者として,信頼性と妥当性の検証を行なった。また,中国における職位および経験年数と自律性の関係を明らかにした。尺度の中国語版と日本語版では因子構造に違いがみられた。専門職的自律性の平均得点は,職位の高いものは専門職的自律性も高い傾向がみられた。また,経験年数が増えるにつれて,専門職的自律性の平均得点が上昇する傾向もみられた。 中国においては,看護師の免許は2年毎の更新制であることに加え,高い業務上職位を得るためには,継続教育を受ける必要がある。このようなシステムが自律性の形成に寄与している可能性がある。経験年数増加に伴う自律性平均得点の上昇傾向は,仕事を続けやすい社会的背景が一因と考えられた。