著者
加川 尚
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究ではメダカを用いて雄間競争時に攻撃行動をとる優位個体と逃避行動をとる劣位個体の神経ペプチドホルモン(バソトシン)の脳内作用機構を明らかにすることを試みた。優位個体と劣位個体において、バソトシンを高発現する神経の軸索の脳内投射領域が異なることが分かった。また、それぞれの軸索投射領域では、異なるサブタイプのバソトシン受容体が高発現することが明らかになった。さらに、これらの受容体のうち1つのサブタイプの遺伝子をノックアウトしたメダカを用いて2個体間の雄間競争を観察したところ、いずれの個体も高い攻撃性を示し、競争の決着がつかなくなる傾向がみられた。