著者
加納 千佳
出版者
同志社大学
雑誌
同志社政策科学研究 (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.231-234, 2009-07

研究活動報告(Research and Activity Report)2008年10月23日から10月27日にわたりイタリアのピエモンテ州トリノ市で「テッラ・マードレ(Terra Madre)2008」が開催された。「テッラ・マードレ」とは食のコミュニティの世界大会であり、国際スローフード協会とイタリアの農林水産省、外務省の経済推進局、ピエモンテ州とトリノ市の協力により開催されている。もともと、世界規模の生産者会議という名の下で行われていたこのイベントは、世界中の生産者はもちろんのこと、料理人、研究者、若者、ボランティアスタッフ等が集まり、交流を深める場として機能している。農業と食に関わる生物多様性を保護するために最も有効であるとして、この国際的な情報・意見交換が行われている。また、今年は「若者」と「音楽」という新しいカテゴリーが加わった。「若者」のカテゴリーが加わったのには、若者が食の運動を展開していこうとする「ユース・フード・ムーブメント(Youth Food Movement、以下、YFM)」という新たなネットワークが作られた事が背景にある。本稿では、このYFMに焦点を当て、「テッラ・マードレ2008」について報告する。