- 著者
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原口 和史
加茂 健太
谷口 秀将
- 出版者
- 西日本整形・災害外科学会
- 雑誌
- 整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
- 巻号頁・発行日
- vol.66, no.1, pp.71-75, 2017-03-25 (Released:2017-05-01)
- 参考文献数
- 12
近年,強直性脊椎炎(AS)に対して抗TNF-α製剤が使用され,臨床症状の著しい改善が期待できるようになった.しかし,抗TNF-α製剤は骨新生を抑制できず,臨床症状の改善とXP所見の進行には乖離があるとされている.今回,抗TNF-α製剤を投与し長期期間経過を見たASの2例を報告する.症例1(58歳男性,投与期間82カ月)29歳時ASの診断を受ける.50歳で両股関節痛のため初診.脊椎全体が強直,両仙腸関節は癒合,両股関節は高度に変形しており,MTX投与開始.両THA施行後,Infliximab 3mg/kg/8W開始,その後5mg強/kg/8Wまで増量する.症例2(42歳男性,投与期間60カ月)32歳頃より上顎洞炎,腰背部痛などあり,SAPHO症候群診断で治療を受ける.38歳時初診,MTX,Infliximab 5mg/kg/8W開始.効果減弱傾向あり,32か月後Adalimumab 10mg/2Wに変更.両例とも抗TNF-α製剤投与後,臨床症状は著しく改善したが,症例2では腰椎XP病変の進行を認めた.