著者
加藤 一生
出版者
県立広島大学
雑誌
広島県立保健福祉大学誌人間と科学 (ISSN:13463217)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.9-20, 2004-03

広島原爆に遠距離で被爆した花嵐岩中に自然発生した長寿命核種^<36>Cl (半減期3×10^5年) の量の正確な推定を行う上で必要となる情報を得るために, カリウム (K), ウラニウム (U) ならびにトリウム (Th) 含有率を天然放射性同位元素からのガンマ線測定を行い定量した。非被爆花嵐岩中のU, ThならびにKも定量し, それらが広島周辺の岩盤ごとにどのように変わるか調べた。定量結果から, たとえば愛媛県の伊予大島からの伊予石におけるKの含有率は広島市に近い倉橋島の議院石の含有率に比べて低い, などいくつかの興味深い事柄が分かった。議院石採石場の山頂近くにあった大きな岩盤の様々な深さから採取した17個の測定結果から, UとTh含有率が岩盤のある小さな部分で極めて高いことが分かった。その最大値はUの6.5ppm, そしてThの55ppmである。このことから, UとThの含有率は議院石採石場の中の位置によってかなり変化することが推察された。