著者
渡辺 真澄
出版者
県立広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

平成29年度は、7月~12月の間、研究協力者であるマンチェスター大学のLambon-Ralph教授の研究室に滞在し、英語と日本語の動詞活用の研究を行っているケンブリッジ大学のPatterson博士も交え、議論を重ねた。日本語の動詞活用に関しては15年ほど前に故伏見貴夫博士、Patterson博士、および研究協力者の辰巳ほかがJ Mem Langに投稿し、修正途中で終った研究が唯一のものである。そこでまずその研究の刺激語と実験データを関係者に発掘してもらい、再分析することから始めた。15年前、動詞活用に関しては、規則動詞の処理を行う「文法」(grammar: look→looked)と例外動詞の活用形(give→gave)を保持する「レキシコン」の二重機構を仮定するPinkerらと、規則動詞、例外動詞が同じ機構により処理されるとするコネクショニストとの間で激しい論争が行われていた。伏見らの研究も日本語の動詞を規則/例外動詞(五段/一段動詞)に分けて活用成績を比較したが、成績差が安定せず、また規則活用されるはずの非語動詞の正答率が著しく低い場合(例、もさかぶ)があることが判明した。もし日本語の非語動詞が規則に基づき活用されるなら、英語の場合と同様に、実在動詞の正答率と同等になってよい。英語は屈折語だが動詞活用は非常に単純であるのに対し、日本語は膠着語で動詞活用は規則的だが種類が著しく多い。そこでこの15年間に発表された多数の論文を調べたところ、我々の再分析結果と同様に、フィンランド語(膠着語)の動詞活用や、セルビア語(屈折語)の複雑な名詞の屈折は、英語のように単純に規則/例外に区分け、比較することには無理があることが判明した。日本語の動詞活用には、意味の有無が大きな影響を与えるようであり、少なくとも意味の関与を考慮する必要がある。このため新たな枠組の中で実験を行うことになった。
著者
多田 ゆりえ 細羽 竜也
出版者
県立広島大学
雑誌
人間と科学 : 県立広島大学保健福祉学部誌 = Humanity and science : journal of the Faculty of Health and Welfare (ISSN:13463217)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.51-58, 2018-03

本研究では就労継続支援A型事業所を利用している精神障害者が一般就労への移行にどの程度関心を持っているかの実情を検討した。方法として,A型事業所を利用している精神障害者3名に,A型の利用目的と利用状況についてインタビューを行った。厚生労働省の方針である「一般就労への移行」を支援するA型の機能を中心に,調査協力者の就労ニーズを検討した。3名中2名はA型の利用にあたり一般就労への移行に関心を持っていたが,家庭の事情や今の職場の人間関係のよさから離れがたい気持ち,また新しい環境への不安などの理由から一般就労への移行を躊躇しているケースもあった。一般就労への移行としてのA 型の機能に重点を置く際には,利用者個々人の事情に対して,より細やかな支援が必要になると考えられる。This study conducted a preliminary examination to measure the interest toward facilitating regular employment for workers who use continued support for employment Type A. To conduct this examination, three mentally disabled workers who use continued employment support for employment Type A were interviewed about the purpose of their Type A employment, work space, and condition. With a focus on the function of employment Type A, which is to support "facilitating regular employment" according to the Ministry of Health, Labour and Welfare, the three interviewees' employment needs were examined. Two of the three showed interest in the facilitation of regular employment; however, they were hesitant because of some private issues, the good human relations present in their current work spaces, and anxiety about working in a new place. The Ministry of Health, Labour and Welfare wants to advocate the importance of facilitating regular employment; however, only promoting it is not enough. It may be necessary to support workers in tackling their individual issues as well.報告
著者
吉田 倫子
出版者
県立広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は観光を糸口として文化財のバリアフリー整備にどこまで踏み込んでいるかを明らかにするものである。バリアフリー整備状況は城郭の地理的条件だけでなく,管理者の意向によって異なっている。観光施設としての満足度とバリアフリー整備の意識には関連があることもわかった。年齢や性別も影響している。また,管理者はバリアフリー整備を必要する方と直接対話することで,制度上困難な整備でも仮設で対応しようとする意向があることがわかった。若い世代がそうした配慮に好意的であり,歴史的価値の認識にも影響しないことから,可能な限りのバリアフリー整備を検討していくことが必要である。
著者
折山 早苗 宮腰 由紀子 小林 敏生
出版者
県立広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

16時間夜勤時の看護師の眠気、疲労感および睡眠状況ならびに夜勤時にとる仮眠の影響を明らかにし、パフォーマンス維持に効果のある仮眠のとり方を実施した。まず、質問紙調査を行い、眠気や疲労感の増加する時刻などを明らかにした後に夜勤時の仮眠のとり方を決定し、夜勤時の仮眠時間ならびに仮眠開始時刻の条件をかえて、実験室で行った後に、臨床実験を行った。仮眠開始時刻によって朝方にかけて眠気、疲労感、パフォーマンスの変化が異なることが明らかとなり、パフォーマンス維持効果のある仮眠のとり方が明らかになった。
著者
杉山 寿美 岡松 久美 廣田 彩
出版者
県立広島大学
雑誌
県立広島大学人間文化学部紀要 (ISSN:13467816)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.83-93, 2007
被引用文献数
1

非体育学部系大学に在籍する男子大学生160人を対象として2002年10月に(1)サプリメントの利用状況、(2)食生活状況、(3)健康に関する行動についてアンケート調査を実施した。"スポーツサプリメント"を利用している者は47%、"スポーサツプリメント以外の一般的なサプリメント"を利用している者は18%であり、いずれのサプリメントも週2回以上利用している者が約50%であった。"スポーツサプリメント"は友人・コーチの勧めで、"一般サプリメント"は家族の勧めで利用されていた。また、"スポーツサプリメント"利用群は、非利用群と比較して食事を欠食しない傾向にあり(p<0.05)、体調がよいとした者が多く(p<0.05)、運動を実施している者も多かった(p<0.05)。しかしながら、運動の頻度・継続時間に有意な差は認められなかった。一方、"一般サプリメント"利用群は、非利用群と比較して夕食を一人で食べる傾向にあった(p<0.05)。なお、エステティックサロンの利用意欲、ファッション雑誌の購読状況には"スポーツサプリメント"でも"一般サプリメント"でも、それぞれのサプリメントの利用群と非利用群の間に有意な差は認められなかった。
著者
楠堀 誠司 吉田 和人 関矢 寛史
出版者
県立広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では卓球のショットについて分析を行った.まず打球速度の分析を行い,最大速度で打球した場合にボールが卓球台を横切る時間は人間の全身反応時間の限界値(0.1sec)に相当することを見出した.また,無回転(the theoretical spin-free:TSF)ボールの理論的軌跡を算出し,ショット軌跡に対するボールスピンのはたらきを明らかにした.
著者
西本 寮子
出版者
県立広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本年度は、大庭賢兼の事跡のうち、まず「詠百首和歌」について再検討を行うこととし、翻字の見直し作業から着手した。ついで、『伊勢物語』諸注集成について、情報を収集に努めた。さらに『太平記』の書き入れについて確認作業を進めた。吉川本太平記について、入手ずみの写真版の確認作業を進めた。固有名詞を中心に線引があることはよく知られているところであるが、その記主及び、本文を利用したのが誰であるのかは明らかにされてこなかったことから、何らかの手がかりが得られるのではないかと考えて作業を進めている。しかしながら、現時点では有力な手がかりは見いだせていない。これについては次のような見通しを立てている。毛利氏周辺にはいくつかの『太平記』伝本が伝わっており、伝本の中には元就の側近が関与したと思われるものもある。元就自身は吉川元春が書写した吉川家本の目録を記してているが、元就の孫の輝元所用本の注記には側近の名が認められる。吉川本は元春が書写したあと、元長や広家などが歴史や教養を身につけるために利用した可能性が高い。吉川家文書の元長自筆書状からは、元長が『太平記』に通じていたと考えられる文書の存在が確認できるからである。急成長を遂げた同一文化圏の中で、『太平記』がどのような意味を持っていたのか、検討を深めることができそうであるとの感触を得ている。また、大庭賢兼と元長の間には親交があったことから、元長の教養形成に賢兼が大きな意味を持っていたといえる。これらについて手がかりを求めて引き続き調査を続ける。なお、29年度は、毛利元就を始発点とする文化活動の広がりを考察するのに有益な資料を入手した。慶長三年二月十日興業の賦何木連歌一巻である。毛利元康が発句を詠じ、玄仲、晶叱、紹巴、景敏、友詮ら毛利家周辺で活躍した人物や連歌師等が参加している。時代は下るが毛利氏の文化活動の広がりの考察に利用したい。
著者
高橋 渡
出版者
県立広島大学
雑誌
県立広島大学人間文化学部紀要 (ISSN:21865590)
巻号頁・発行日
no.7, pp.113-122, 2012

Who is the man in macintosh? This is a famous enigma in Ulysses. He comes out of the blue on the cemetery scene in Episode 6 (Hades), and, thereafter, appears twelve times in Ulysses. Leopold Bloom wonders over and over again who he is. And yet, in the text, we can find some hints as to his identity. It seems an enigma presented to the reader as well as to Bloom. Most plausible answers to this question seem to be Mr Duffy from 'A painful Case' in Dubliners and the author, Joyce, himself, because the text suggests it. These answers, however, cannot be proved definitely in spite of some suggestions we can find in the text. And we cannot decide which is the right answer, Mr Duffy or the author. What is important about this question, however, does not seem to be the exact answer to it, but what we notice in the course of our attempt to solve the question: we cannot but notice the fact that Ulysses has various narrative levels. This enigma seems to function as a meta-language suggesting one of the important features of narrative structure of Ulysses.
著者
松尾 智晶
出版者
県立広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

就職活動を組織間協働と捉え、大学組織と企業組織が学生というリソースをやり取りするダイナミズムを捉える本研究においては、平成21年度の研究結果より各大学のキャリアセンターが対内外への情報提供及び調整機能を果たすことが明らかとなった。平成22年度の研究成果として、大学の機能拡充は大学教育の在り方自体の見直し経緯の一環として行われており、その方向性は学士教育の質保証に沿うことが明らかとなったものの、課題として1)教育と研究の重点配分が大学経営の方針によって大いに異なり一般化が困難、2)組織間協働の機能を果たす機関としてキャリアセンターを研究対象としたが実態は継続性・専門性の不足と責任範囲の不明確さ等により期待される役割を十分に果たせていないことが明らかとなった。
著者
大西 英雄 城本 修
出版者
県立広島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

発声に関する脳機能の賦活部位は,上前頭回,上・中側頭回,内側前頭回,角回,縁上回,帯状回が確認された。これらの賦活部位が声門の動きに大きく関与しており,賦活程度の比較より前頭葉に発声中枢があると考えられた。その結果よりチューブ発声法を訓練法と採用して,チューブ発声法の訓練有無の比較は,訓練群は新たに上前頭回,中側頭回,帯状回の賦活が認められ,チューブ発声法の訓練は有効であると示唆された。また,チューブ発声法に用いるチューブ径は,チューブ径の違いで脳賦活部位に違いが生じ,脳機能画像上においてチューブ径5 mm が有効であると示唆された。
著者
沖田 一彦 田端 幸枝 越智 淳子 吉田 彰
出版者
県立広島大学
雑誌
広島県立保健福祉大学誌人間と科学 (ISSN:13463217)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.87-95, 2004-03

学生が, 専門科目に関してレポートや卒業論文を作成するときには, さまざまな学術資料を検索する。その場合, 和雑誌に掲載された論文の検索には医学中央雑誌 Web のデータベース利用が主となっているが, 本学ではその利用頻度の高さと契約口数の少なさから, 利用が集中した場合には検索が行えないこともある。また, 卒後の教育を考えたとき, 医学中央雑誌 Web のデータベース利用は限られた施設でのみ可能である。これらのことから, 学生の在学時および卒後の学習や研究を支えるため, 試験的に理学療法及び作業療法に関わる文献検索システムの構築を試みた。本領域の学術・商業雑誌計6誌の書誌情報をデータベース化し, 学内LANから Web ブラウザにより, サーバ上のデータベースにアクセスして文献検索ができるようにした。検索条件には学術論文の場合はキーワード, 見出し, 表題, 著者, 発行年, 巻, 号を用いた。本システムは, 現在は学内LANからのアクセスに限られているが学外からの利用もできるよう構築されているため, 今後は公開利用の可能性を模索したい。
著者
松井 輝昭
出版者
県立広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

厳島神社の社殿が建つところは、オオナムチ・スクナヒコナの神の故地と伝えられる。熊野修験の支援でこの地に熊野本宮の写しが創られ、新たな来世往生の霊場が生まれることになった。中世前期の厳島大明神は、来世往生の願いを叶える神として信仰を集めた。ところが、厳島大明神は室町時代後期頃には、新たに現世利益の神へとしての神格を持つようになっていた。さらに、戦国時代初頭には、福徳の願いを叶える弁財天の評判を得ていた。しかし、厳島神社の神仏習合観が大きく変容しても、その基底には海の神龍神への信仰が伏流していたことが知られる。海上社殿にちなむ厳島神社信仰の本質は、神仏習合観が大きく変容しても変わるものではなかった。
著者
馬渕 良太 吉田 充史 三宝 雅子 杉山 寿美
出版者
県立広島大学
雑誌
県立広島大学人間文化学部紀要 (ISSN:21865590)
巻号頁・発行日
no.10, pp.1-7, 2015

Cabbage is a main ingredient in okonomiyaki (Japanese pancake), and while its sweetness determines the preference characteristics, the levels of vitamin C (VC) and other vitamins determine the nutritional qualities. The purpose of this study was to examine the effects of the cabbage used in making okonomiyaki on food (nutrient) composition. Variability in degrees Brix (°Bx) and the VC level of cabbage used in making Hiroshima-style okonomiyaki was examined. In Hiroshima-style okonomiyaki, the °Bx of cabbage is elevated and sweetness shows an increasing trend. In addition, the method of placing steamed cabbage on top of noodles and then applying pressure allows for a high rate of residual VC. These results indicate that the Hiroshima-stylemethod of making okonomiyaki utilizes the preference characteristics and nutritional qualities of cabbage.
著者
船津 誠也 今泉 敏 藤本 雅子 橋詰 顕 栗栖 薫
出版者
県立広島大学
雑誌
県立広島大学人間文化学部紀要 (ISSN:13467816)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.63-71, 2008
被引用文献数
2

本研究では日本語母語話者の子音クラスタ中への母音挿入について生成・知覚両面からの検討を行なった。アルファベット表記された英単語および無意味語のリストを読み上げる発話実験において日本語母語話者は、/t/、/d/の後には母音/o/を挿入し、それ以外の子音の後では/u/を挿入して発音する傾向があることを確認した。発話実験と同一の検査語を用いた復唱実験から、英語母語話者の発話を復唱した場合には、ほとんど母音挿入が生じず、生じた場合においても挿入母音長は発話実験時に比べて短いことが明らかになった。脳磁図を用いた脳機能計測において、子音クラスタ中の母音の有無を検出できるかどうか計測したところ、母音の有無によるミスマッチ反応が生じており母音の有無が検出されていた。以上の結果から、日本語母語話者における子音クラスタ中への母音挿入は、Dupouxらが言うような「幻の母音」を知覚して生じているのではなく、調音上の問題である可能性が示唆された。
著者
鄭 継華 森 朝美 樹山 敦子 加藤 秀夫
出版者
県立広島大学
雑誌
県立広島大学人間文化学部紀要 (ISSN:13467816)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.33-38, 2007

本研究では果糖について、摂取量と活動とのエネルギー収支による体重調節と生体への影響を検討した。果糖摂取は食事誘発性産熱の増大と血糖上昇の抑制およびインスリン分泌の低下などによって、体重増加や肥満の防止が認められた。一方、果糖の摂取は肝臓グリコーゲンおよび筋肉グリコーゲンの合成を高めることを明らかにした。従って、果糖は肝臓機能を高め、筋肉グリコーゲンを増大する栄養機能があると考えられる。今回の研究結果から、健康維持と生活習慣病予防には、果糖の摂取量を見直すことの大切さを浮き彫りにした。
著者
原田 環
出版者
県立広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、第二次日韓協約と通称される、大韓帝国(1897-1910)が外交権を日本に委譲した条約(Convention、1905年11月17日締結)を取り上げた研究である。これまで韓国では、この条約が日本によって強制されたものであるので、国際法上無効であると主張してきた。これに対して、報告者はこれまでの研究において、皇帝高宗が当時の大韓帝国の政府閣僚に命じてこの条約の締結を進めさせた事実を明らかにした。本研究では、さらに次のことを明らかにした。1)第二次日韓協約の締結を自ら進めた皇帝高宗が、条約の締結後は一転してこの条約に反対する運動を扇動したこと。2)他方においてこの条約に反対する運動が求める政府閣僚の罷免要求を退け、条約の締結を推進したこと。3)この結果、皇帝高宗とこの条約反対派との間に対立が生じたこと。これらの研究成果によって、大韓帝国においては第二次日韓協約に対して皇帝と国民が一致して反対したというこれまでの韓国における通説が否定された
著者
五條 小枝子
出版者
県立広島大学
雑誌
県立広島大学人間文化学部紀要 (ISSN:21865590)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.81(1)-92(12), 0000

Kinnume Saionji was the husband of Hino Meishi, the author of Takemukigaki. He was killed by Godaigo-tenno on a charge of treason. Then Meishi devoted herself to moving to the Saionji principal residence and to bringing up Sanetoshi, her and late Kinmune's son, into the head of the Saionji Family. The coming of age ceremony for Sanetoshi was an auspicious event which formed a turning point in her life. So the ceremony had to be appropriately performed as that for the head of the family according to the ancient practices of the Saionji Family. The progress of the ceremony isdescribed in the second volume of Takemukigaki. The purpose of this paper is to consider the ancient practices of the Saionji Family in the coming of age ceremony for Sanetoshi from the four points of view: 1.the age at which the coming of age ceremony is performed, 2.Imperial gifts:" Kanmuri" (a crown) and" Noshi"(ordinary dresses of nobles), 3". Goi-chujyo", 4.congratulatory gifts from" Ashikaga-shogun".
著者
土田 玲子 加藤 寿宏 日田 勝子 太田 篤志 岩永 隆一郎
出版者
県立広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

4歳から10歳までの発達障害児(DSM-TRによる学習障害-LD-、運動能力障害-DCD-、コミュニケーション障害-CD-、広汎性発達障害-PDD-、注意欠陥-ADHD-のいずれかの診断に属する者)36名に対し、新しく開発された日本版感覚統合検査(JPAN)および南カルフォルニア感覚統合検査(SCSIT)等、関連する発達検査のデータを収集し、その関連性(妥当性)、識別性について検討した。その結果、SCSITとの関連については、発達障害児データの81%が障害カテゴリーに入ることが示され、その妥当性が確認された。さらに、発達障害児群をPDDと非PDD群に分けて分析すると、IQに関しては両群に差異が認められないにもかかわらず、PDD群に有意に姿勢、平衡機能、行為機能、視知覚、目と手の協調運動の問題が大きく認められた。ゆえに、JPANは従来の知能検査では捕らえることのできない発達障害児の感覚運動機能の障害を明らかにできる妥当性が高い検査であることが示唆された。今後の課題として、障害児データ数が目標数に達しなかったため、さらに時間をかけて本研究を継続する必要があることがあげられる。