著者
加藤 力 松田 奈緒子
出版者
宝塚造形芸術大学
雑誌
Artes : bulletin of Takarazuka University of Art and Design : 宝塚造形芸術大学紀要 (ISSN:09147543)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.103-115, 2007-03-31

住居のインテリアは、今や、化粧やファッション等に次いで、重要な自己表現手段になっている。また、住居のインテリアは、住み手にとって、自我や自己等の自分の内面を投影する対象として捉えられるようになった。住居のインテリアは、外部からは閉ざされた空間でありながら、それは、常に、他者のまなざしを感じながら、部屋を飾るという空間の自己化の行為といえる。この意味で、インテリアは、社会心理学的な側面を持つ。ここでは、まず、インテリア調査によって、インテリア空間における自己化の過程の中で、他者性の存在について、実証を行った。次いで、自己化の手段や方法、あるいは、その構成や意味についての考察を行った。このことから、インテリアにおける研究領域に関し、従来の領域の他に、社会心理学的研究領域の存在の可能性について言及した。