著者
加藤 宗博
出版者
日本時間学会
雑誌
時間学研究 (ISSN:18820093)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.35-43, 2015 (Released:2017-02-24)

我々の身近において時間の一方向性が見られる現象としては、水中にインクが拡散してゆく現象、または波は波源から遠方へ拡がるという一方向のみにしか伝播しない現象等が挙げられる。この中の後者の例は十分に研究が行われていない。本論文では、この波動の一方向性のメカニズムを調べた。波動として電磁波を対象とし、電磁ポテンシャルから導いた電圧および変位電流を電気回路と比較した。その結果、電磁波には、一方向性電気回路であるジャイレータ回路に類似した要素があることを確認した。次に波の1波長間のエネルギーを求めた。その結果1波長の間には、抵抗成分が存在するとみなせる可能性があることを指摘した。以上より、電磁波と一方向性電気回路には類似点があることを指摘できた。