著者
加藤 正也 今高 城治 岡本 健太郎 谷 有希子 山口 岳史 荻野 恵 土岡 丘 加藤 広行 有阪 治 Masaya Kato George Imataka Kentaro Okamoto Yukiko Tani Takeshi Yamaguchi Kei Ogino Takashi Tuchioka Hiroyuki Kato Osamu Arisaka 獨協医科大学医学部 小児科学 獨協医科大学医学部 小児科学 獨協医科大学医学部 第一外科学 獨協医科大学医学部 第一外科学 獨協医科大学医学部 第一外科学 獨協医科大学医学部 第一外科学 獨協医科大学医学部 第一外科学 獨協医科大学医学部 第一外科学 獨協医科大学医学部 小児科学 Department Of Pediatrics Dokkyo Medical University Department Of Pediatrics Dokkyo Medical University First Department Of Surgery Dokkyo Medical University First Department Of Surgery Dokkyo Medical University First Department Of Surgery Dokkyo Medical University First Department Of Surgery Dokkyo Medical University First Department Of Surgery Dokkyo Medical University First Department Of Surgery Dokkyo Medical University Department Of Pediatrics Dokkyo Medical University
雑誌
Dokkyo journal of medical sciences (ISSN:03855023)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.173-176, 2014-07-25

症例1は6歳女児.インフルエンザ感染症初日に発熱しオセルタミビルを開始.第3病日,右下腹部に限局した圧痛が出現.腹部造影CTで糞石を認め急性虫垂炎と診断.保存的に加療し炎症反応と腹痛は改善した.症例2は5歳女児.第1病日に発熱と腹痛を認め,第3病日に鼻咽腔迅速検査でインフルエンザB型と診断しザナミビル吸入を開始.触診で右下腹部に反跳痛を認め,腹部単純CTで虫垂壁の肥厚と糞石を確認.急性虫垂炎の併発と診断し,第4病日に虫垂切除術を施行.切除虫垂に膿瘍を認め腹腔ドレーンを留置.第5病日に解熱し経過は順調であった.インフルエンザに伴う腹痛では感染に付随する腹痛と断定せず急性虫垂炎の可能性も考慮し腹部CTなどの画像検査を行うことが肝要である.
著者
菊池 真維子 中島 政信 室井 大人 高橋 雅一 山口 悟 佐々木 欣郎 土岡 丘 加藤 広行
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.176-181, 2019 (Released:2020-04-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1

食道癌根治切除術は他の消化器癌手術と比べ侵襲の高度な手術となり,不整脈などの術後合併症が重篤化することもしばしばで周術期管理は特に重要である.当科にて右開胸または胸腔鏡下での食道癌根治切除術を施行した症例中,術中および術後に120回/分以上の頻脈性不整脈の発現を19例に認め,術前から心電図異常を認め(p=0.0001),循環器疾患の既往を認めた症例(p=0.0061)で有意に頻脈性不整脈の発生を認めた.当科では頻脈性不整脈に対する治療の中で,19例中12例に短時間作用型β1選択的遮断薬である塩酸ランジオロール投与を行っており,12例に対する後方視的な検討を行った.塩酸ランジオロール投与により10例(83.3%)が洞調律への改善を認め,全例に血圧低下や呼吸状態の悪化は認めなかった.投与基準に従った食道癌周術期における頻脈性不整脈に対する塩酸ランジオロール投与は副作用を生じることなく安全に投与可能であり,術後成績向上の一助になると思われる.
著者
里村 仁志 佐々木 欣郎 室井 大人 高橋 雅一 勝又 大輔 山口 悟 中島 政信 加藤 広行
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.837-840, 2014-05-31 (Released:2014-12-19)
参考文献数
14

2010年4月から2013年3月までにシートベルトに起因する鈍的腸管・腸間膜損傷を6例経験した。損傷部位は十二指腸が2例,小腸間膜損傷に小腸損傷を伴うものが2例,小腸間膜損傷のみのものが2例であった。十二指腸穿孔の2例はいずれもBMIが低いため,シートベルトと脊椎に十二指腸水平脚が圧迫されて,内圧が急激に上昇したため穿孔したものと考えられた。腸間膜のみの損傷であった2例はシートベルトに直接圧挫されて間膜が裂傷を負ったものと思われた。腸間膜損傷に腸管の離断や穿孔が伴っていた2例は前述したメカニズムの複合による受傷と類推された。3例に開腹歴を認め腹腔内での癒着,組織の硬化が腸管・腸間膜損傷に影響した可能性が示唆された。シートベルト損傷はベルト痕を含めた腹部の視触診やFAST,CTなどの画像診断に加えて,開腹歴やBMI等も考慮して慎重に診断する必要があると思われる。