著者
水上 浩一 加藤 めぐみ 加藤 秀之
出版者
一般社団法人日本獣医がん学会
雑誌
日本獣医がん学会雑誌 (ISSN:18843344)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.8-11, 2019-10-31 (Released:2019-10-31)
参考文献数
8

Parathyroid adenoma is a relatively rare disease in dogs. However, hypercalcemia caused by excessive secreted parathyroid hormone occurs as a paraneoplastic syndrome, and significantly lowers the patient’s quality of life Therefore, prompt diagnosis and treatment are required in this condition. In this communication, we report two canine parathyroid adenoma cases in Miniature Dachshunds, with one case showing delayed postoperative functional recovery of the parathyroid, and another case having multiple adenoma lesions.
著者
高橋 久寿 乾 泰延 三村 経夫 加藤 秀之 山野 修二 大野 義雄 竹内 悟 江崎 洋二郎 森 崇英
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.34, no.12, pp.2163-2171, 1982-12-01

hMG-hCG療法時のovarian hyperstimulation syndrome(OHS)における血清estradiol(Ed),androstenedione(A)とtestosterone(T)の変動を検討し、特にandrogen測定の意義について以下の知見をえた.1)47例の無排卵症患者(無排卵周期症2例,第1度無月経23例,第2度無月経22例)に143周期の治療を行つたところ,軽度OHSは4例,中等度OHSは4例で排卵誘発成功例の25%を占めた.2)Edは卵胞成熟徴候に平行して増加し,排卵前のピーク値は排卵成功OHS非発症群(n=9)では514.7±194.3pg/ml(増加率14.7倍),軽度OHS群では1003.5±409.9pg/ml(増加率11.8倍),そして中等度OHSでは2374.3±1345.1pg/ml(増加率42.1倍)と著明に増加し,Edのピーク値とOHSの発症とその重症度とは相関し,8例のOHSのうち,6例のEdが1000pg/mlを越えたので,このEdレベルがOHS発症予知の一応の目安と考えられた.3)Aの変動は正常周期にはみられないようなピークがEdのピークとほぼ一致してみられた.すなわち,OHS非発症群では7.3±3.2ng/ml(増加率1.4倍),軽度OHS群では8.3±3.2ng/ml(増加率2.4倍),中等度OHS群では8.4±3.3ng/m1(増加率2.7倍)であり,OHSの重症度によって増加が著しく,Edの場合と同様の傾向を認めた.4)排卵成功例の治療前T値は正常排卵周期例に比べ有意(P<0.01)に高く,治療中のTの変化はhMG投与には殆ど反応せず,hCGに切換えてから急増した.すなわち,OHS非発症例(n=6)では治療前値の2.2倍,軽度OHS群(n=4)では2.2倍,中等度OHS群(n=4)では4.7倍とOHSの重症度によって増加率があがった。5)dexamethasone抑制hCG刺激試験において,hCG刺激によるTの増加率は正常排卵周期で30.3%,第1度無月経(n=7)で63.1%であるが,多嚢胞性卵巣疾患(n=8)では166.3%と異常に高いことが示された.以上の知見から、hMGとhCGの順次投与法において,hMG投与中にはAの,hCGに切換えたあとはTの一過性の上昇がみられ,その増加率はいずれもOHSの発症と相関していることが判明した.したがって,OHS発症予知の一手段として従来から用いられているEd測定のほかにA,Tの測定も意義あるものと考えられる.