著者
阿知葉 征彦 石倉 和夫 工藤 功二 杉山 雅人 勝又 賢治
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.60-66, 1989
被引用文献数
2 1

現行カラーテレビ信号から高画質な画像を得るIDTVの動き適応形信号処理に適用するため, 複合カラーテレビ信号から動き情報を抽出する動き検出方式について検討を加えた.まず, 動き検出誤りおよび動き制御信号の量子化精度について考察した後, NTSCとPAL方式の動き検出について検討した.NTSC信号では, フレーム間の差信号の低周波成分と2フレーム間の差信号とから誤検出のない動き情報が抽出できること, また, PAL信号では標本化位相を適当に選ぶことにより, フレーム間の差信号から誤検出のない動き情報が得られることを示した.しかしインタレース走査信号では, フィールド単位の時間標本化を行っており, フレーム単位の動き検出では検出漏れが生じる.この検出漏れの救済にはフィールドメモリーを利用するフィールド間の演算に, エッジ部分の誤検出を防ぐエッジ適応処理を組合せる方法が有効なことを示した.